2011年7月22日金曜日

RYU MURAKAMI



久しぶりに読書をした

子供のころは毎日本を読んでいた
大人になると通勤電車内が読書の場に
なり、車通勤になると当たり前だが本を読めず
年齢とともに読書量が減った

61編のエッセイからなるこの新刊は
カンブリア宮殿に司会者として登場している
村上氏の側面を色濃く感じられる

179ページ冒頭部に 

”五十歳未満の男の約八割は年収が四百万円以下で、
 そんな経済状態では結婚して子供を育てていくのはむずかしい”

という文章があった
正確なデータをもってして書かれているだろう
改めて大変な時代だと思い知らされた

自分の周囲にはファッション産業従事者が多い
個人差はあるが皆苦労している
基本的に服が好きでこだわりがある人種だ
例えば2万円のデニムが日常価格の範疇だったりする

良い悪いではなく”仕組み”によるものだ

1メートル1200円の生地を約2メートル使い2400円
ボタン、ファスナー、リベット、洗濯表示、ブランドタグ
縫製工賃、加工、洗い賃
パターン代、サンプル代

大量に売れないのでこれを少数生産すると .......
おそらく原価は7000円くらいになる
常識的な原価率が約35パーセント
すると小売価格は約20,000円だ

もうけ過ぎ?ではない
小売店で2万円のものは仕入れ原価率が約55パーセントに
設定され11,000円くらいで納品される
つまりメーカーは7,000円で作り11,000円で小売店に売る
デニム一本あたり4,000円の儲け
これを50本売ってやっと20万円の利益

これは一例でユニクロなどのメガストアは製造直販なので
中間コストが省かれる
ただ言えることは前述の古い”仕組み”はもう勝てない形態
になってしまったという事だろう

その昔街にはレコード屋があった
レコードはCDに変わりその後メガストアが台頭し
街からレコード屋が消えた
現在音楽は配信が主役に変わりCD売り場は
激減している

その反面マニアックなレコード屋も少数存在している
淘汰の後残るごく僅かな勝者

ファッションも同じだろう
私の知人たちは淘汰を勝ち残ろうと頑張っている
険しい道のりだ 尊敬すべき姿勢だ
でも是非勝ち残ってもらいたい 

私には服は安くてシンプルな物が好きという面がある
どちらかというとメガストア志向だ
よってファッション業界にて高尚な勝ち組になれる
要素が足りない

先日H&Mにてタンクトップを探した
広い売り場をぐるぐるめぐり3~4種類の
シロ無地のタンクトップが置かれている事を
把握した

どれもピンとこない ..... するとマネキンがチェックの
半袖シャツの下にいい感じのタンクトップを着ている
のを発見した

またぐるぐるするが同じ物は見つからない
いっそマネキンから脱がすか!
と思ったらその裏に2~3枚あった これだ!

プライス449円
2枚買った ものすごく気に入っている

私が特別なわけではない
これが今の消費の姿だろう .........


1976年 ”限りなく透明に近いブルー” で芥川賞を受賞した
この作家は今や半端な経済評論家など寄せ付けない

正確無比な傍観者だ

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